【たかが世界の終わり】家族をテーマにした愛の物語

たかが世界の終わり映画

余命宣告を受けたルイは、その事実を家族に告げるため12年ぶりに帰省し、長い間疎遠にしていた家族と再会する。

おすすめポイント

  • おすすめポイント①:実力派フランス俳優の豪華共演
  • おすすめポイント②:戯曲が原作のスリリングな会話劇
  • おすすめポイント③:淡い光と影が揺らぐ美しい映像

こんな方におすすめ

家族について考えたい方。

作品概要

  • 公開:2016年
  • 制作国:カナダ・フランス
  • 上映時間:99分

キャスト

  • ギャスパー・ウリエル
  • ヴァンサン・カッセル
  • マリオン・コティヤール
  • ナタリー・バイ
  • レア・セドゥ

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【たかが世界の終わり】のあらすじ

空港からタクシーに乗ったルイ(ギャスパー・ウリエル)は、実家へと向かう。
ルイが12年ぶりに帰省するのは、自分がもうすぐ死ぬということを家族に告げるため。
家を飛び出してからほとんど絶縁状態だった家族との再会は気が重いが、会うのはこれが最後になるだろう。

その頃家では、母親のマルティーヌ(ナタリー・バイ)が浮き浮きしながらブルーのアイシャドーとマニキュアを塗り、妹のシュザンヌ(レア・セドゥ)もメイクでオシャレをして、ルイの到着を待っていた。
12年前は幼かったシュザンヌには、ルイの記憶がない。
一方、兄のアントワーヌ(ヴァンサン・カッセル)は弟の突然の帰省に気を高ぶらせ、そのそばには妻のカトリーヌ(マリオン・コティヤール)がいた。

ルイが到着すると、シュザンヌが出迎えて抱きついた。
ルイはアントワーヌの結婚式に出席しなかったのでカトリーヌとは初対面なのだが、その事実を改めて知ったマルティーヌが大袈裟に驚き、その様子を見てアントワーヌは冷たい言葉を吐く。

物静かなカトリーヌは、夫の家族に気を遣いながらルイに話しかける。
しかし2人の会話を耳にしてアントワーヌは、声を荒げてカトリーヌに話をやめさせる。
そして、シュザンヌの派手な服装を批判し始めたので、2人は喧嘩になってしまう。

困ったカトリーヌは、自分の子供に「ルイ」と名付けた理由を話題にして場の雰囲気を変えようとしたが、ルイが将来子供を持つかどうかという話になってしまい後悔する。
ルイはゲイなのだ。

ルイはシュザンヌの部屋に誘われる。
部屋の壁には人気作家になったルイに関する記事の切り抜きが貼ってあり、ルイが送った絵ハガキが大切に保管されていた。
シュザンヌはルイにいろいろ問いかけるが、ルイははっきり答えることができない。

ルイは体調が悪くなり、洗面所で吐いてしまった。
その時電話がかかってきて、「まだ家族には話していない」「デザートの時間に話すつもりだ」と言う。

ガレージでマルティーヌと2人きりになったルイ。
マルティーヌは住所を教えないルイを責めるが、アントワーヌとシュザンヌの力になってほしいと頼み、「あなたのことは理解できないが、愛している」と話しかけてルイを抱きしめる。
そしてルイの表情に何かを察したものの、そのまま話題を変えてしまう。

昼食の時間になり最初はみんなで談笑していたが、そのうちアントワーヌとシュザンヌが言い争いを始めてしまったので険悪なムードになる。

ルイは自分の部屋の物が置いてある部屋に行き、マットレスを見つける。
そして、当時の恋人ピエールと過ごした淡い時間を思い出す。

タバコを買いに行くアントワーヌの車に乗り、ルイは家に帰るまで空港で時間を潰していた話をするが、アントワーヌは「そんな話には興味がない」と怒りを露わにする。
そしてルイはピエールがガンで死んだことを知らされて、ショックを受ける。

とうとうデザートの時間になり、ルイは意を決して口を開く。
しかしそれは余命の告白ではなく長い間家に帰って来なかったことへの謝罪と、アントワーヌとシュザンヌに対する関係修復の話だった。
戸惑う家族たち。
そしてルイが「帰る」という言葉を口にしたとたん、アントワーヌが激高しルイをすぐに追い出そうとする。

アントワーヌの突然の行動に驚き、ルイを必死で引き留めようとするマルティーヌとシュザンヌ。
3人は泣き叫びながら自分の思いをぶつけあい、玄関先で大混乱になってしまう。
やがて興奮状態は落ち着き、マルティーヌはルイに「次は大丈夫だから」と言って3人はそれぞれその場を去っていく。
最後に残ったカトリーヌはルイに何かを言おうとするが、ルイがそれを制したのでカトリーヌも静かに去っていく。

そしてルイが出て行こうとしたその時、壁時計から小鳥が現れて部屋の中を飛び回った。
それを見てルイは驚くが、そのままそっと出ていき、誰もいなくなった部屋の床にはその小鳥が死んで横たわっていた。

【たかが世界の終わり】の考察

原作がジャン=リュック・ラガルスの舞台劇「まさに世界の終わり」というだけに、自分の死期を伝えるために帰省したルイと、突然の訪問に戸惑う家族たちの様子がスリリングな会話によって描かれています。

12年ぶりに再会した家族になかなか言い出せないルイ。
ルイの帰省に何か深刻な理由があると察していても、なかなか聞き出せない家族。
彼らのすれ違う感情にじりじりとしてしまう反面、家族ってこういうものだなという共感もあり、登場人物たちの葛藤と愛情が身に迫ります。

ルイはなぜ家を出たのか。なぜ今まで帰ってこなかったのか。
12年前家族に何があったのか。
アントワーヌとは、どんな兄弟関係だったのか。
その答えは彼らの会話から推察するしかありませんが、ルイがゲイであることが大きな要因になっていることは間違いないでしょう。

グザヴィエ・ドラン監督が「家族は人間の原点」と話しているように、家族だからこそ口に出せないことや、家族にしかわからない確執や葛藤はあるものです。
この作品では、兄嫁のカトリーヌだけがそれを知らない唯一の部外者。
だからこそ彼女は優しい傍観者として、孤独なルイと心を通わせることができたのかもしれませんね。

ルイの訪問によって波風が立ち、ついには嵐になっていく家族関係の中で緊張感を漂わせながら沈黙しているルイ。
そんな彼をじっと見つめるカトリーヌの瞳が、ルイの気持ちを何とか汲み取ろうとしているようで印象的です。

タバコをふかしながらマルティーヌが息子と2人きりで話をするシーンには、彼女もやっぱりお母さんなんだなと思わせるセリフがあって感動的。
特に香水を理由に息子を抱き寄せるところはカッコよくて哀しくて、寂しさと母性愛を感じさせます。

結局自分の死期について話すことができなかったルイですが、事あるごとにアップで映し出されるルイの表情からは葛藤で揺らいでいる様子が伝わってきて、まるで顕微鏡で彼の心の奥を覗いているかのよう。
監督自身を投影したこの役を演じたギャスパー・ウリエルの繊細な演技から目が離せません。

弟に対して攻撃的なアントワーヌにも、きっと心の傷があるのでしょう。
登場人物たちはみな不完全で、不完全だからこそ魅力的。
監督特有の美しくぼやけた映像が、いつまでも心に残ります。

 

 

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