【運び屋】はクリントイーストウッドの思いが詰まった映画。あらすじ&考察

運び屋映画

おじいちゃんクリント・イーストウッドの【運び屋】を視聴。

財産を失いそうになっていた90歳の老人が、車で荷物を運ぶだけの簡単な仕事を持ちかけられるが、実はそれは麻薬の運び屋だったという話。

【運び屋】おすすめポイント

  • おすすめポイント①:興味をソソられる前代未聞の実話サスペンス
  • おすすめポイント②:家族との時間を取り戻そうとする男の物語
  • おすすめポイント③:クリント・イーストウッドと実娘の共演

こんな方におすすめ

自分の人生を振り返ってみたい方。ユニークな実話に興味がある方。

作品概要

  • 公開:2018年
  • 制作国:アメリカ合衆国
  • 上映時間:116分

キャスト

  • クリント・イーストウッド
  • ブラッドリー・クーパー
  • ダイアン・ウィースト
  • アンディ・ガルシア
  • アリソン・イーストウッド

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【運び屋】のあらすじ(※ネタバレあり注意)

79歳の園芸家アール・ストーン(クリント・イーストウッド)は、仕事熱心な男。アメリカ各地を飛び回り、品評会では自分が育てたデイリリー〝マジェスティック〟が金賞を受賞したこともあったが、家族からはすっかり愛想をつかされていた。

 

長い間家庭よりも仕事を優先してきたアールは、娘アイリス(アリソン・イーストウッド)の結婚式にも出席しなかった過去がある。結局アールは離婚し、アイリスとは絶縁状態になった。

12年後アールは花農場の経営に失敗し、農場も自宅も差し押さえられてしまう。しかたなくアールは荷物を車に乗せて、孫娘に会いに行く。彼女は今度結婚する予定で、アールはその資金援助をする約束をしていたのだ。

しかし、孫娘のところへやって来たアールにアイリスは激怒。追い出されるようにしてアールが帰ろうとすると、花婿付添人の友人が「ドライバーを探している」と話しかけてきた。仕事を失っていたアールは名刺を受け取り、指定された場所へ行くと、怪しそうな男たちがアールを待っていた。

彼らはアールが無事故無違反だと知り、トランクに荷物を入れて運ぶように命じた。しかし、その荷物の中身を見てはいけないという。そんな彼らの言動から、アールはこれは危険な仕事だと察したが、お金のために引き受けることにした。

アールはイリノイ州まで荷物を運び、指定場所に車を停めてしばらくその場を離れた。戻ってくると、車の中に大金が入った封筒が置いてあったので、アールは驚いた。

そのお金で、孫娘の婚約パーティに盛大な贈り物をしたアール。再会したメアリーから離婚の理由を聞かされ、自分が仕事ばかりしていて家庭を顧みなかったことで、家族を傷つけていたことを知る。

ちょうどその頃、麻薬取締局のベイツ捜査官(ブラッドリー・クーパー)が、麻薬組織で働く男に接触。情報提供者として捜査に協力するように命じた。

農場を取り戻したいと考えたアールは、1回でやめるつもりだった運び屋の仕事を、また引き受けることにする。そして今回もアールは仕事をやり遂げ、その報酬で自宅を買い戻すことができた。

ある日久しぶりに退役軍人クラブへ出かけたアールは、その建物が火事で壊滅状態になってしまったことを知る。もはや誰からも資金提供は望めない時代遅れのクラブ。この場所を失いたくないアールは、また運び屋の仕事をして、自分が再建の手助けをしようと考えた。

ところが、次に運ぶ荷物があまりにも大きかったことから、アールは途中で中身を見てしまう。するとそこにあったのは、大量の麻薬だった。予想が当たったとはいえ、犯罪に巻き込まれたことに動揺するアール。

そんな時、麻薬犬を連れた保安官がアールに近づいてきた。窮地に立たされたアールは、とっさに日焼け止めクリームを塗った手で麻薬犬をなでまわし、嗅覚を鈍らせてその場を何とか切り抜ける。

アールの仕事ぶりは麻薬組織から大変評価され、「タタ(じいさん)」と呼ばれて重宝されるようになってきた。アールの方もだんだん仕事に慣れ、自分が稼いだ大金でみんなに喜んでもらえることが嬉しい。アールは組織から信頼されるようになり、運ぶ麻薬の量も次第に増えていった。

アールが運んでいたのは、メキシコ最大の麻薬カルテルのボスであるラトン(アンディ・ガルシア)の麻薬だった。アールの監視を命じられたフリオは、アールが勝手に寄り道をしたり、知らない人たちと接触したりして、仕事の途中で気ままな行動をしていることに驚く。

ある日ラトンはアールを屋敷に招待し、パーティを開いて労をねぎらう。しかしその後、ラトンは部下に裏切られて殺され、新しいボスが誕生。アールの態度が気に入らない彼は、アールを銃で脅し、フリオの相棒の死体を見せる。アールはこの状況を恐れ、新しいボスに従うことにする。

一方、ベイツ捜査官は、「タタ」という優秀な運び屋の存在を耳にする。そして、組織のノートに記されたタタの仕事ぶりを見て、彼を早く捕まえなければと決心。タタが乗っているという黒い車をしらみつぶしに捜査し、ついにタタがあるモーテルにいることを突き止めた。

そこでベイツは現場へ向かうが、アールを見かけても、まさかこんな老人が運び屋だとは思わない。結局ベイツは、別の男性をタタだと思い込んで彼を逮捕してしまう。

その翌朝再びアールと出会ったベイツは、「家族の大切な記念日に仕事をしている」と話しかける。それを聞いたアールは自分の経験を語り、仕事よりも家族を大事にするようにとベイツを諭すのだった。

そんな時孫娘からアールに電話があり、メアリーが重病で倒れたという。余命はあと数日。それを聞いたアールはすぐにでも飛んで行きたかったが、今から大事な運び屋の仕事があったので、「行けない」と返事をしてしまう。しかしその後アールは考え直し、麻薬を車に詰んだままメアリーのもとへ駆けつけた。

それから最期までメアリーのそばを離れなかったアール。その献身的な姿を見たアイリスは、それまでの確執を乗り越えて、恨んでいた父を赦すのだった。

アールは大量の麻薬を持ったまま、組織と連絡を取らなくなったので、彼らはアールの行方を必死で探していた。アイリスの葬儀が終わってアールが携帯の電源を入れると、すぐに組織がアールの元へやって来たが、その後まもなく麻薬捜査局も駆けつけてアールを逮捕。その時ベイツは、タタの正体があの老人だったと知って愕然とする。

アールは潔く罪を認めた。そして刑務所に送られ、所内にあるガーデンでデイリリーを育て始める。デイリリーを愛おしそうに見つめるアール。その表情は、自分の人生に満足しているような優しさにあふれていた。

【運び屋】の考察

2014年「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」に掲載された記事から着想を得たこの作品は、約10年間シナロア・カルテルの運び屋をしていた89歳の退役軍人の不思議な物語です。

 

シナロア・カルテルとは、メキシコ最大の犯罪組織である麻薬カルテルのこと。そんな巨大組織に雇われ、捜査の目をくぐり抜けながらせっせと麻薬を運んでいた老人とは、一体どんな人物だったのでしょう。

 

彼の名前はレオ・シャープ。映画と同じく園芸業を経営していましたが、離婚はしておらず、逮捕された時も悪あがきしたそうで、この主人公のように自ら罪を認め、甘んじて裁きを受けるようなカッコいい人物ではなかったようです。ちょっと残念ですね。

 

ちなみに彼は、この映画が公開される2年前に亡くなったそうです。

 

この作品は、クリント・イーストウッドが10年ぶりに自身の監督作品の主演を務め、しかも自分も88歳という高齢だったこともあって、主人公の人生に重なる部分があるのではないかと注目されました。

 

何しろアールは、平気で差別発言をするような頑固で保守的な人物。怖い者知らずの退役軍人なので、カルテル相手に堂々としているところもあってハラハラします。一方、女性をモーテルに呼んでイチャイチャしたり、洒落たジョークを飛ばしたりする魅力的な面もあるチャーミングな男性として描かれているのが特徴です。

 

仕事を優先するあまり家族をないがしろにしてしまった。そんな後悔にとらわれ、晩年になって家族との時間を取り戻そうとするところなどは、監督自身の想いが強く反映されているようで、共演した実の娘とは長い間確執があったとか。そう思うと、2人が和解するシーンには説得力があって見ごたえがありますね。

 

ちょっとしたきっかけで、人は犯罪に手を染めてしまう。それまで孤独だった彼は、急に大金を稼げるようになったことで、人の役に立てることが楽しかったのでしょう。もちろん自分の欲もあったでしょうが、麻薬を運んでいる最中に鼻歌を歌ったりして、もともと自由で陽気な気質なのではないかという気もします。

 

1日で枯れてしまうデイリリー。その花が象徴するように、1日1日を大切にして家族と過ごそう。それは、監督の心からのメッセージではないでしょうか。

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