【ファーゴ】のあらすじ&考察。散りばめられた謎を解説します。

ファーゴ映画

少し古い作品【ファーゴ】を視聴。

ちょっとした手違いによって、簡単だったはずの狂言誘拐が陰惨な連続殺人事件へと発展していくブラックコメディ映画です。

【ファーゴ】のおすすめポイント

  • おすすめポイント①:全く先が読めない異色サスペンス
  • おすすめポイント②:人間の滑稽さとおかしみを描いたブラックコメディ
  • おすすめポイント③:国際的評価を受けたスタイリッシュな犯罪映画

こんな方におすすめ

ありきたりなサスペンスでは物足りない方。

【ファーゴ】の作品概要

  • 公開:1996年
  • 制作国:アメリカ合衆国
  • 上映時間:98分
  • R15+指定

キャスト

  • フランシス・マクドーマンド
  • ウィリアム・H・メイシー
  • スティーヴ・ブシェミ
  • ピーター・ストーメア
  • ジョン・キャロル・リンチ

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【ファーゴ】のあらすじ(※ネタバレあり注意)

1987年冬。アメリカ合衆国ミネソタ州で自動車販売店の営業マンとして働くジェリー(ウィリアム・H・メイシー)は、妻に内緒で多額の借金を抱え、追い詰められていた。そこでジェリーは、実家が裕福な妻を狂言誘拐し、義父に身代金8万ドルを出させてそれを返済にあてようと考える。

 

ジェリーはノース・ダコタ州ファーゴに向かい、お喋りなカール(スティーヴ・ブシェーミ)と無口なグリムスラッド(ピーター・ストーメア)という2人のチンピラに会って、妻の誘拐を依頼した。そして、身代金を山分けすること、また、勤務先から持ち出した車を誘拐に使った後は、そのまま報酬として与える約束する。

 

2人は計画通りにジェリーの家へ押し入り、妻を誘拐して車に押し込んで隠れ家に向かうが、車のナンバープレートをつけていなかったことから、途中で警察官に停車を命じられてしまう。するとグリムスラッドが、呼び止めた警官をあっけなく射殺。驚くカールをよそに、それを目撃して車で走り去った若い2人も、グリムスラッドは追いかけてすぐに殺してしまった。

 

その翌日、警察署署長マージ(フランシス・マクドーマンド)が、殺人現場に到着。彼女は妊婦だったが、この殺人事件の捜査に乗り出す。

 

殺された警察官のメモから車を割り出したマージは、2人が泊まったモーテルを突き止め、彼らの容貌や犯罪に使われた車のことを調べ上げた。そこでマージはジェリーに会い、車の件で質問をするが、彼の動揺した態度に不信感を抱くようになる。

 

ジェリーは妻の誘拐を義父に打ち明け、警察に通報しないで身代金を用意するように説得。しかし、計画が狂って殺人事件を起こしてしまったことに苛立つカールから、自分たちに身代金全額を渡すように要求され、しかたなく身代金が100万ドルに値上がったと義父に伝える。

 

ところが、ジェリーを信用していない義父は、自分で身代金を抱えて、約束の場所へと出かけていく。そしてカールに会い、身代金と人質との交換を強気な態度で交渉したことから、逆上したカールによって殺されてしまった。カールは身代金の入ったケースを奪って逃げるが、途中で金額が100万ドルもあることを知り、上乗せされた92万ドルを独り占めしようとケースを雪原に埋めて隠した。

 

しばらくしてその場に駆けつけたジェリーは、義父の死体を発見。車のトランクに死体を詰め込み、そこから立ち去った。

 

カールが隠れ家に戻ってみると、人質は死んでいた。見張っていたグリムスラッドによると、彼女が逃げようとしたので、このような展開になってしまったという。全てを諦めたカールは、ケースから抜いた8万ドルをグリムスラッドと山分けするが、車の所有のことで言い争いになり、結局グリムスラッドに殺されてしまう。

 

一方、ジェリーを疑うマージは、再び彼の元を訪問。するとジェリーは、隙を見て車で逃げてしまう。部下に捜索の指示を出したマージは、ある情報を得て犯人の車を発見し、そこでカールの死体を処理しているグリムスラッドの姿を目撃する。

 

マージは格闘の末グリムスラッドを捕まえ、車で移送中に「なぜお金のために人を殺したのか」などと問いかけてみるが、彼は返事をしない。その後逃亡中のジェリーも逮捕され、事件は解決した。

 

帰宅したマージは、寝室で夫と一緒にテレビを見ながら、画家である彼の絵が3セント切手に採用されたことを聞かされる。そして夫婦は、数ヶ月後に生まれる赤ん坊のことを話し、ささやかな幸せをかみしめる。

 

【ファーゴ】の考察

ちょっとしたボタンの掛け違いから雪崩のように悲劇が起こり、人が次々と死んでいきます。その淡々としたバイオレンス性と、人間のどうしようもない弱さが絶妙にミックスされ、犯人を追う推理劇というよりも、人間の欲から生まれた喜悲劇。狂言誘拐を企てる方も実行する方も、犯罪を軽く考えていて脇が甘いところが、思わず苦笑を誘います。

 

注目したいのは、血なまぐさくて非情な連続殺人事件を1人で追うのが、お腹の大きな妊婦警官というユニークな設定でしょう。なんという意外性。これは彼女を演じたフランシス・マクドーマンドによる提案だそうですが、その狙い通り、凍りつくような風景をバックに陰惨な出来事が起こる中、彼女の存在だけが温かい人間性を感じさせてくれて、何だかホッとしますよね。

 

実は冒頭で「これは実話である」という文言がありますので、「こんな奇妙な事件が本当にあったのか」「ああ、恐ろしい」などと思いながら私たちは観るわけですが、なんとエンドロールには「本作はフィクションである」と書かれています。つまり、オープニングの「実話」うんぬんは、観客を物語に引き込むためのニクイ演出だったというわけですね。

 

ただし、創作のヒントになった実在の事件はあったようで、たとえばカールの死体が木材粉砕機で処理されているシーンは、アメリカで起きたある有名な殺人事件からモチーフを得ているとか。

 

また、日本人にはあまりピンと来ないものとして、最後にマージが凶悪なグリムスラッドを車で移送するシーンに登場するポール・バニヤンの像。なぜわざわざこの像をここで見せるのか、おわかりになりますか?

 

このポール・バニヤンはアメリカ入植者たちの民間伝承に登場する巨人で、アメリカではホラ話の象徴ともいうべき存在なのだそうです。つまり、ここで「この物語はホラ話です」とこっそり種明かしをしている。そういうわけだったのです。

 

他にも「ファーゴ」という地名がタイトルなのに、舞台になっているのはミネアポリスとブレーナード。ファーゴが登場するのは、ジェリーと誘拐犯2人が初対面する酒場のシーンだけというのが、不思議ですね。でもその理由は、ファーゴの方が面白そうだから。単なる監督の好みということでした。

 

ちなみに、2014年からコーエン兄弟が製作総指揮を務めるTVドラマ『FARGO/ファーゴ』が放送されましたが、これはこの映画から着想は得ていますが、内容は全く違いますのでご注意を。

 

おバカな夫が短絡的に思いついた妻の誘拐。それに巻き込まれ、あれよという間に殺されてしまう人たち。人生は計画通りにはいかず、こんなはずじゃなかった…という思わぬ展開が恐ろしいやら笑えるやらで、得も言われぬ余韻が残るブラック・コメディ系サスペンスの傑作です。

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みんなのレビュー

  1. 評価

    4

    コーエン兄弟のコミカルかつ秀逸なサスペンス作品。
    借金返済行き詰まった主人公が妻の狂言誘拐を実行したことから、話がどんどんとおかしな方向へ展開していき、一瞬たりとも目が離せない。登場人物たちの個性的なキャラクターがとても魅力的。舞台となる街の方言?というか独特の相槌がとても印象に残った。

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